
1日ずつ伝統技術を身につけていく。板前人生の醍醐味です。
R.I. 2023年4月入社(大卒新卒)/京王プラザホテル店 板前(仕込み中心、焼き場も担当)

研究より“自分の手”でつくる楽しさを選んだ
高校時代から食べることが好きで、大学でも食品に関して学んでいました。ただ、自ら調理する仕事にも強く惹かれていて。いろいろな飲食店を見て回ったなかで、「昔ながらの伝統に根差しながら鮨を学べる場所」として惹かれたのが久兵衛でした。歴史もあり、対応するお客様の層も高い。緊張はもちろんするのですが、将来その調理場に自分が立つイメージは魅力的でした。面接で感じたのは、若手にもしっかり声をかけてくれる距離の近さ。ここなら初心者からでも一流の板前を目指せるかもしれない、と直感したんです。
日常の仕込みが鮨の価値を支えている
入社当初は、野菜のカットや薬味の準備から始まって、少しずつ魚を触らせてもらいました。同じ魚でも大きさや骨格が異なれば、力加減も包丁の角度も変わる。そのうえ江戸前鮨は塩や酢で締める工程ひとつで味がガラッと変わるんですよね。しかも久兵衛は扱う素材の種類が豊富なので、毎回新鮮な発見がある。そうした仕込みをひとつずつ丁寧におこなう毎日が、ひと握りの鮨のクオリティを左右するんです。先輩方が「ここはこうした方がいい」と声をかけてくれたり、教えてもらったことを自分の家で練習したりするうちに、少しずつ自分でも手応えを感じるようになりました。
焼き物から始まり、いつかは目の前で鮨を握る
まだ鮨を握る最前線には立てていませんが、焼き場を担当しながらもカウンターの様子が見えるのは大きいですね。私が焼いた魚を、お客様が目の前でパクッと召し上がって「美味しい」と笑ってくれる。その瞬間は言葉にできないほど嬉しいです。久兵衛では日々の仕込みの延長線上に、やがては対面で鮨を握る未来がはっきりと見える。先輩はみなさん秀でている技を持ち、お客様への気遣いも今の自分にはとてもまねができないほど。長い道のりでも、90年培われた一生モノの技術を積み重ねられると思うと、「もっと早く帰って練習しよう」と自然にモチベーションが湧いてきます。
海外でも通用する「手に職」
鮨は日本発の食文化でありながら、いまや世界各地で人気が高まっています。久兵衛でしっかり江戸前の技を身につけておけば、いつか自分も国境を越えて勝負できるんじゃないかと思うんです。もちろん、まずは仕込みから握りまでの王道ステップをしっかりマスターするのが先ですが、「ここで積んだ経験はどんな未来につながるんだろう?」と考えるだけでワクワクします。伝統があるからこそ、可能性を広げてくれる。それが、久兵衛で板前を目指す醍醐味だと感じています。
